「白銀の墟 玄の月」と読みます。
シリーズの構想元になった(後に続くシリーズからみると外伝的な...エピソードゼロ的な...コアな感じの)「魔性の子」からはじまり、シリーズ2作目の「風の海 迷宮の岸/上・下」で起承転結でいう「起承」部分が語られ、シリーズ7作目「黄昏の岸 暁の天/上・下」でぐるりと話は「転」じ、「結」である今作へと続く。
シリーズの中でもウエイトがデカい12国の内の1国「戴国」のお話です。
端的にまとめても前文が超長くなるこの...。
ちなみに短編集「華胥の幽夢」の1本「冬栄」では穏やかな挿話的エピソードも書かれています。
一巻の開始数ページでなんかもうドラマチックでした。
三巻終盤〜四巻で怒濤の展開、って感じなのでそれまでの間にグツグツしちゃう人も多そう。
巻数に比例して、登場人物もすんごく多い(既刊や他シリーズで馴染みのある人も大勢出てくる)のですが無駄な登場人物が居ないのです。自分なりに各人物像をはっきりさせながら読み進めていったほうが読後の感動がでかいので頑張ってください。
これが十二国分ある(タイトル作にはならなかったり多くは語られない国もあります)っていうね、壮大な大河的シリーズです。
長編あるあるですが、出版順に読んでも、物語の時系列順に読んでも楽しいのでもう何往復もしております。
詳しいことはWikipediaちゃんが全部教えてくれますのでまずはそっちみてからシリーズに手をつけてもいいのかもしれない。
ぶっ通しで、シリーズ全作もれなく読める新潮文庫版がおすすめです。
わたしの講談社版も何度も読み直してボロくなってきたから新潮版に買い換えようかな...。
十二国記 白銀の墟 玄の月(新潮文庫) / 小野不由美
★★★★★
リンク先は第一巻ですが、全四巻でです。