ユダヤ人精神分析学者によるナチスの強制収容所体験記録。
壮絶な体験を壮絶な事実としてただただ書き記すのでは無く、壮絶な体験の中における思考の変化を主だって記録している手記。
食欲だけが残された集団。
命を脅かされない世界で過ごす人とは全く違う理由で「クリスマスに死ぬ人」。
利害関係抜きで、ただなんとなく畑を踏み荒らす行為。
このあたりの理由がすごく考えさせられた。
退屈だとか何だとか言ってられる幸せってのもほんとにあるんだな。としみじみしました。猫はかわいいし、晩ご飯はおいしいし。
内容の重さからすると意外な感じがしますが、一晩で読み切れるボリュームです。
読後、内容は全く覚えていないのだけど、とにかくめちゃくちゃ怒りまくる夢を見た。
実生活でもそんなに怒ったことないわ、っていうくらい怒りの感情で満ち満ちた夢。
私ってこんなに怒れるんだな...と、夢ながら感心した。
怒る夢は"現実で抑えつけている感情が発散され、心のわだかまりが解消されていく象徴"の吉夢だそうなので、私にも効用はあったと思われる。
コロナでくさくさしている現代人への処方薬としてよろしかったらどうぞ。
夜と霧 新版(みすず書房) / ヴィクトール・E・フランクル
★★★★☆
グロに寄らない、考えさせられる系実話。