今更15年以上前に買った本のレビューとかね、しかもあえての文庫版鳥山石燕とか「?」とお思いかもしれませんが、いまさらでもこの本をお題目にして書かずには居られない「ブツ」を手に入れたので、大興奮で怒濤のキーボード打鍵してます(主にバックスペースキーを。)
「はちみせ(83)」さんからの新着アイテムを紹介するメールでまーた押ささり※ましたね、スイッチ。
誰もが独特なスイッチって持ってると思うんです、なんかこう、平気で10年とか放置されちゃうような。でも押すとしばらく元に戻らないような物理で硬いスイッチ。
※押ささる=北海道弁、「Do+不可抗力」のような意味で使われます。
そのスイッチをクリーンヒットしたのがこちら、ドン。
怪奇里紗さん作「鳥山石燕 ぬっぺっぽう」
みた?最高じゃないです?もう。
私の写真より、販売サイトである「はちみせ」さんの商品紹介の方がぐっと伝わりやすいので、そちらをガン見していただいた方がよさげです。
商品リンクが切れたときのために一応お目汚しで私の自前写真も...
うちの照明はだいぶ赤いので、わたしの自前写真は色カブりしちゃってます。はちみせから「最高」が光の速さで届いた!!!!最高すぎて言いたいことまとめきれない!家にぬっぺぼうが来た!!わぁ!!(ぬっぺはぽでありぼでありほでもある) pic.twitter.com/Tc8lAacsrs
— 花田負ける (@yummy_brown) June 1, 2020
ぬっぺぼう=ぬっぺっぽう=ぬっぺふほふ=ぬつへつほふ...
と、こんな感じで"King of 表記ブレ"な妖怪ですが、かと言って安易に「≒のっぺらぼう」とか言っちゃうとそれはそれで矢文が飛んでくる系の怪異案件です。
石燕の絵は当然平面なので、石燕のぬっぺぼうに後ろ姿はありません。
でも、怪奇里紗さんの「ぬっぺっぽう」はびっくりするくらい(硬いスイッチが押ささるくらい)石燕だし、信じられないくらい三次元なのです。
造型が素晴らしい
なんとなーく「ぬっぺぼうの尻はじいさんの顎の下のタルタルしたとこ」みたいなしおれた感じを想像してしまいがちですが、このプリっと垂れた(表現が難しい)お尻の正しさにはかなわない。「これかー!だよなぁ!」って感じです。
手指とかの感じからしたら絶対この後ろ姿は正しい。尻だけしぼんでるなんてなんか怪異じゃないもんな。しぼんだお尻では、あのなんとものっぺりとした柔らかい笑顔のような表情はできない。ちげねぇ。
質感も美しい
陶器みたいで美しいなぁ!と、そこにも惹かれて購入したわけですが、実際手にした本物の質感がすごい。
なんともいえない淡いグラデーションとベースの色がチラッと醸すコントラストとがめちゃくちゃ味わい深い。なんていうかずっとじろじろ見ていられる。
全体的な「ツヤっ」と、部分的な(色味による)「カサっ」のコントラストがねぇ...すごい好き。
触感はどこを触ってもつるんとしてますよ!めちゃくちゃ処理が細かい。
サイズも愛おしい
わたし元来「手のひらに余裕で収まるサイズの生き物の置物」という早口言葉みたいなものが大好きなんですけど、これがなーかなか実際買うには至らない。
思いのほか想像の段階で予選落ちしちゃうパターンが多いんですよね...。
でも、上記の通り造型と質感でもう迷いはなかった。しかもサイズは手のひらサイズ。ひさびさに秒で物を買ったなぁ。
大きい本棚持ってる人は特におすすめ、めちゃくちゃ本棚が似合いますやっぱり。
本当は活字の本棚のが似合うんだろうけど、居間で輝いてほしい(これは見てもらいたい!)ので、居間にある漫画と新書の本棚に鎮座していただいております。
はやくおうちに人を呼んで
「わぁ、これなぁに?」「おっ、お目が高い。」
っていうのやりたい。
以上、本のレビューとはいえない、あまりにもいい物を手に入れたのでそれを自慢したいだけの記事でした。
文体もなんかいつもと違いますが、うれしくってヘラヘラしちゃう。
蛇足ですが、鈍器本でおなじみ「京極夏彦の百鬼夜行シリーズ」もおすすめです。ぬっぺぼうが出てくるのはシリーズ後半の「宴の支度」なのでかなり気長に読んでいただかないといけませんが...。
画図百鬼夜行全画集(角川文庫ソフィア) / 鳥山石燕
★★★★☆
ポケットに怪異